法螺貝の音色(画像クリックで音色が聴けます)
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インドの行者の貝(約 15cm長)「シャンク」
日本の行者の貝(約 43cm長)「法螺貝」
ユーラシア大陸の文明文化の道を通り、インド伝来のバラモン教、ヒンズー教の法具である「シャンク」は、チベット、中国を経て文明文化の終着点である日本に到着しましたが、それを否定するどころか、飲み込み自分達の都合の良いように改良、改善して今日の法具、「法螺貝」としてみごとに変化融合させてきました。全ての物質存在は波動から成り立ちますが、音の波動は、音霊としての波動を持ち、次元を超えて、浄化作用や共鳴反応を起こし、行者のみならず、祈りの対象を清らかな本来の存在への変換する法具であります。
法螺貝の起源
- 修験道と言えば法螺貝、法螺貝と言えば修験道と言えわれる。 起源はインドのバラモン教、ヒンズー教の司祭が使う法具として「シャンク」と呼ばれる貝を、ホーマの儀式(護摩)などで吹き鳴らすことから、古代インドやチベットの大乗仏教においても同様に貝を法具として使用している。
「あ・うん=オーム」の「あ」は宇宙創造の音で、「うん」は地球創造の音として、その聖なる原初音を法螺貝は再現すると言われる。 密教ご真言で「おん〜〜〜」の「おん」はこの宇宙創造の原初音で、ご真言=マントラを法具の貝で吹奏するころからの起源。
法螺貝の教相
- 「法螺を吹く」と言うと、一般に「大げさに言う」「でたらめを言う」ことを指すが、本来の意味は仏典中、「法華経」には「大法螺を吹いて、大法鼓を撃つ」とあり、また
「鼓音経」には「大戦鼓を撃つ」とあり、法螺はあくまでも大日如来法身説法の内証を示すものであり、過去、現在、未来の三世における諸仏が出世さられて説法される時に、必ず、大法螺を吹かれて、如来説法を一切衆生にいきわたらせ、迷界の衆生の妄心を覚醒されたと伝えられる。
法螺貝吹奏の目的
- 謹んで吹奏し奉る金剛三昧の法螺と云者、金剛界バン字の智体にして法身説法の内証なり。 又、天界の音楽なれば、一度之を吹き奉れば、其の響き十方世界に周偏して、諸々の不浄を清め、邪気を除き、悪気魔障立ち所に降伏せしめ奉る。恭しく法楽荘厳の御為に丹誠を致して吹奏し奉らんとす。願わくば本尊聖者哀愍納受を垂れ給はんことを。 三昧法螺聲 一乗妙法説 経耳滅煩悩 当入阿字門 (訳=法螺貝の音は瞑想であり(三昧) 一乗妙法説(法華経そのものである)耳にふれれば煩悩を滅すまさに、阿字本不生の境地に入らん)すわなち、*祈祷においては「諸々の不浄を清め、邪気を除き、悪気魔障立ち所に降伏せしめ奉る。」 *ご法楽や大護摩供においては「法楽荘厳の御為に。」すなはち、「信は荘厳より生ず。」*修行においては、「大日如来説法の内証」「三昧瞑想」「即身成仏」への法具である。(「法螺表白文」より)